【VRChat対応】旅行用のゲーミングPCを自作しよう!
この記事ではスーツケースに入れて持ち運べる自作ゲーミングPCの組み方を解説します。もちろんVRChatも快適動作!
自作PCでつまずくポイントを知りたい人にとって、ほんの少しだけ有益な情報が含まれているかもしれません。
はじめに
ある日ふと思いました。
「旅行中もVRChatがしたい!」
Quest2単体でもVRChatは遊べますが、アバターの表示に制約がかかったり、Quest非対応ワールドに入れなかったりと、PCに接続した場合に比べてやはり快適さは大きく損なわれます。
ゲーミングノートを買えばいいだけの話なのですが、せっかくメインPCにRTX4090を積んだのに、また高性能なゲーミングノートを買うのは勿体ないと思ってしまいました。ここで悪い考えが頭をよぎります。
「持ち運べるゲーミングPCを自作すれば、メインPCのRTX4090を流用して安上がりかつハイスペックにできるのでは??」
旅行中はメインPCを使わないので、パーツを移植しても特に困らないわけです。一石二鳥な気がしませんか?
しませんか…
というわけでさっそく組んでいきましょう。
パーツ選定
前提は3つです。
①VRChatが快適に動かせるスペックであること
旅先でVRChatを遊ぶために組むPCなので、これは譲れません。
②メインPCのRTX4090を流用できること
この考えに囚われたことが間違いの始まりでした。
③3辺合計160cm以内のスーツケースに収まること
荷物がこの寸法を超えてしまうと、東海道・山陽新幹線に乗車する際に専用座席の予約が必要となり、不便なためです。
なお、このPCを飛行機で運ぶことは一旦考えないでおきます。さすがに色々怖いので。
②③を満たすためには、長さ350mmのグラフィックボードが入るmicro-ATXケースが必要で、おのずとケースの選択肢が絞られてきます。
今回は下記構成で組むことにしました。
CPU:Core i5-13600K
メモリ:DDR5 16GB×2
マザーボード:ASRock Z690M PG Riptide/D5
グラフィックボード:ZOTAC GeForce RTX 4090 AMP Extreme AIRO
電源:1000W
CPUクーラー:240mm簡易水冷
ケース:Thermaltake Versa H17
SSD:M.2 NVMe 1TB
OS:Windows 11 Pro
メインPCから使い回せる部品がグラフィックボードとメモリくらいしかありません。実質もう1台PCを組むに等しい状況です。
CPUを無駄にハイスペックにしてしまったせいで、CPUクーラーも簡易水冷になってしまいました。ますます持ち運びに向かない予感がしますね。
組み立て、そして誤算
部品が揃ったところで、組み立てていきます。
マザーボードにCPUをのせて、ケースに組み付けます。作業は順調に進み、
奥行きに余裕のあるケースを選んだからグラフィックボードも余裕
嘘…でしょ…
忘れていました。このグラフィックボードは3.5スロット占有の極厚タイプ。
なんと厚み方向が干渉して取り付けられませんでした。そんな…
仕方ないので、手元に余っていたRTX3080を取り付けます。こちらは何とか入りましたが、やはり厚み方向がギリギリですね。
動かない!?
RTX4090が使えないことが分かった時点でモチベがガタ落ちですが、一応組み立てが完了しました。
電源を入れたところ、画面が映らない…
Post StatusチェッカーがDRAM(メモリ)の異常を示しています。ですがメモリをメインPCに差すと問題なく起動しますので、メモリは故障していないはずです。
しばらく悩んで、BIOSのバージョンが古いのではないか?と考えました。Z690M PG Riptide/D5のBIOSは2022年9月公開の バージョン7.03からIntel 13世代のCPUをサポートしており、それ以前のバージョンではうまく動作しない可能性があります。
PCの電源が入らなくてもBIOSをアップデートできる、Flashbackという機能を使ってみます。
でもこの機能ってPCを持ってないと使えなくない?という疑問はあります。持っててよかったメインPC。
①メーカー公式サイトからBIOSのZIPファイルをダウンロードし、展開します。
②BIOSファイルの名前を「CREATIVE.ROM」に変更し、USBメモリに保存します。USBメモリはFAT32でフォーマットしておく必要があります。USBメモリがなければ、SDカードとUSBカードリーダーでも代用できます。
③USBメモリをFlashback対応のUSBポートに差し込みます。Z690M PG Riptide/D5の場合、対応USBポートは水色枠で囲まれています。
④Flashbackスイッチを押して、LEDが点滅しなくなるまで待ちます。
BIOSアップデート完了後…
映りました!!やはり原因はBIOSが古かったことでした。
どうにか完成!持ち運んでみよう
今回のチャレンジの根幹を崩すような誤算がありましたが、どうにかゲーミングPCが組めました。
スーツケースには無事(?)入ってくれました。これで入らなかったらすべて台無しになるところでした。一安心です。しかしここにマウスやキーボードなども押し込んでいくので、スーツケースの中は着替えもほとんど入らない悲惨な状況。
ちなみにこのPCの重さは11kgになりました。スーツケースに入れて引きずるのも一苦労です。
ホテルにチェックインしたら、部屋のテレビにつないでVRChatを起動してみます。
動いた!!!親の顔より見たVRChatのロード画面が映りました。
苦労が報われた瞬間です。
感動のあまり、ちょっと泣きそうになりました。
高性能なパーツで組んだだけあって、旅先でも快適にVRChatができました。なお排熱が追い付かないので、起動中はケースのサイドパネルを開けっぱなしにしておきます。
まとめ:ゲーミングノートを買おう!
まとめです。記事を読まなくても分かりますね。CPUやグラフィックボードのグレードを下げればもう少しコンパクトに組めるとは思いますが、結論は同じです。
・スーツケースに入る自作ゲーミングPCは、(物理的には)組めるがおすすめできない
・残念ながらRTX4090はmicro-ATXケースには入らない
・自作PCを組むのも持ち運ぶのも大変なので、大人しくゲーミングノートを買いましょう
・というか旅行中は普通に旅行を楽しみましょう
結果的にメインPCより少しだけコンパクトな自作PCがもう一台生えてきました。どうすんのこれ…
読んでくださってありがとうございました!!
※本記事の内容を模倣することにより発生したいかなる損害に対しても、Favnianは責任を負いかねます。
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